グスタフ・マーラー Gustav Mahler (1860-1911)・作品覚書(2)第2交響曲


交響曲第2番

マーラーの全交響曲中、最も錯綜とした成立史を持つ作品は恐らくこのハ短調の第2交響曲だろう。最初の構想は1888年まで 遡る一方で、完成は1894年だから、足かけ7年もの期間を要している。1888年は後に第1交響曲となる交響詩が完成した年 であるから、春に交響詩を完成させたマーラーは、余勢を駆るようにして、第2交響曲に着手したことになる。最初に完成したのは 今日の第1楽章にあたる部分で、1888年8月8日にスケッチが完成し、翌月の9月10日にプラハでスコアが完成した。

第1楽章の草稿で興味深いのは、タイトルとして「交響曲ハ短調」と記されていて、交響曲の第1楽章であることが意図されて いたことが窺える点である。当時、後に第1交響曲となる作品は既に完成してはいたものの、それは「交響詩」であった。 だから、「交響曲ハ短調」は、マーラーが交響曲として構想した最初の作品であった可能性が高いのである。

ところで、この時点で完成した第1楽章は、よくある管弦楽法上の修正以外の楽曲構成の点でも、今日我々が第2交響曲の 第1楽章として聴いている版とは違いがある。そして、頻度は必ずしも高くないが、この初期稿を交響詩「葬礼」として演奏したり、 録音したりということが行われていることは、ご存知の方も多いだろう。実際、草稿には「葬礼」というタイトルが掲げられているのだが、 それが当初からのものか、後から追加されたものであるかは判定し難いようだ。一方の「交響詩」の方は、最初、交響曲の第1楽章と して構想されたにも関わらず、7年間の裡には、この楽章を独立の交響詩として演奏するようなことも行われており、この交響曲の 成立までの紆余曲折を端的に物語っている。ちなみに、「葬礼」稿が改訂されて、基本的に現在の第1楽章の形態になったのは、 交響曲の完成の年である1894年になってからのことだが、その改訂は、7年越しの課題であった「交響曲ハ短調」の仕上げのための ものであったから、「葬礼」稿を残りの4楽章に続けて演奏するのは、4楽章形態になった第1交響曲に「花の章」を挿入して 演奏するのと同様、些かちぐはぐなことになる。実際、日本初演の際にはそのような折衷形態での演奏が行われたようだが、 大抵は「葬礼」稿を取り上げるときは、単独の交響詩としてのようで、そちらの方が自然なのは言うまでもない。なお、1894年時点では、 今日の第1交響曲はヴァイマル稿の形態であり、未だ交響詩「巨人」であったから、完成時点において、(散逸したらしい初期の作品を 考慮しなければ)最初の完成した交響曲であったことにも注意すべきかも知れない。

だが、この曲の交響曲としての構想が実現したのは、長い創作期間のようやく最後に至って、1894年2月12日にハンス・フォン・ビューロウが 亡くなり、3月29日にハンブルクのミヒャエル教会で営まれた葬儀にマーラーが参加したことによることは非常によく知られていることだろう。 この交響曲の楽章間のコヒーレンスの低さ、とりわけ第2楽章が浮いてしまうこともまたしばしば指摘されるが、実際、第2楽章となるアンダンテが 書かれたのは第1楽章が「完成」したのと時期的に近いにも関わらず、マーラー自身、当初はこの楽章を第1楽章に後続させようとは考えて いなかったようだ。完成した交響曲の演奏指示に、第1楽章と第2楽章との間に少なくとも5分間の休憩を入れるという指示が含まれることもまた よく知られているが、そのことは、マーラーが自ら繰り返し実演を指揮した後でもなお、第1楽章と第2楽章との接続の悪さを感じていたことを 裏付けていると考えて良いだろう。この指示が厳密に守られる頻度については、信頼できる統計的な情報を持っているわけではないので 正確なことは何も言えないが、マーラー以後交響曲が、演奏会で演奏されることのみを意図された、典型的には多楽章形式の演奏時間が 比較的長大な管弦楽曲で、作者がそのように命名したもの程度の意味しか持たなくなった後の時代では、マーラーが気にしていた不整合を 気にする人の数が減っていることは確かだろう。寧ろ5分の休憩を入れたら、それだけで第1楽章と後続の楽章は別の作品の如き感を 与えることになりかねない。この作品は一晩のコンサートを一曲で占有することが常なので(もっともマーラーがそれを意図したかどうかは 定かではない。というのも当時のコンサートは現在よりもずっと盛りだくさんで、長時間に亘る事が多かったからである)、直接的なコントラストが 生じることはないが、例えば3曲からなるコンサートで休憩が1回だとしたら、そのうち2曲は5分と間をあけることなく演奏されることは確かだろう。 違いは寧ろ拍手をするかどうかといった習慣の水準にあるだろう。ともあれ、この指示の特異性はマーラー自身の作品の中でも際立っていて、 例えば、30分以上にもなる長大な第1楽章を持つ第3交響曲ですら、そうした指示は見られない。そして実際、その必要もないのだ。 (もっともバウアー=レヒナーの回想録には、第3交響曲を「交響詩 パン(牧神)」と名付けることとともに、最初の楽章を第1部とし、そのあとに 長い中休みを置こうとするマーラーの発言が記録されているが。アッター湖畔のシュタインバッハ1896年夏の章の7月4日の項。邦訳ではp.123参照。)

要するに、この交響曲は、それを欠点と見做すかどうかによらず、楽章間の構成としては非常に緩やかな構造を持っているのは確かなこと なのである。更に言えば、マーラーが楽章順序について逡巡していたことは1895年1月にハンブルクで最初の3楽章を試演した折に作成した 写譜(コピー)の楽章順序が第1楽章の後にスケルツォが来て、その後にアンダンテが後続する順序であることからも裏付けられる。なおこの 順序は現在流布している版にも練習番号の混乱というかたちでその痕跡が残っている。すなわち、第3楽章の練習番号が28番から始まって 55番で終わるのは、練習番号が27番で終わる第1楽章の後にスケルツォがすぐに続いているこの写譜の順序の名残なのである。これと 対応する証言が、バウアー=レヒナーの回想のアッター湖畔シュタインバッハ1893年7,8月の章の1984年版でのマルトナーによる注記(邦訳ではp.46)、 および音楽シーズン1898年‐1899年の章の注記(邦訳ではp.293。こちらは1923年版でも読むことができる)にも見られる。それらに拠れば、1893年の 夏の時点の証言に対応するマーラーの最初のスケッチ(バウアー=レヒナーの遺品)では、アンダンテ楽章は第4楽章に置かれていたとのことで、 金子が「マーラーの交響曲」p.55において述べているように、I-III-Urlicht-IIという順序が構想されていた時期があったようなのだ。 もっともこの構想は上述の1895年1月の試演の際には既に撤回されており、試演時には現在のI-II-IIの順序で演奏が行われたようだが。

そうしたコヒーレンスの問題は一般には「子供の魔法の角笛」歌曲集との関連の方に専ら注目の集まる、第3楽章と第4楽章についても言える。 マーラーは、第3楽章から終楽章までの方は、中断無く演奏することを求めている。こちらの指示は通常遵守されているようだし、実際、 そうするのが自然に思われるが、その一因は、間に挟まる第4楽章の極端な短さと、終楽章の極端な長さのコントラストだろう。 しかも第4楽章は、それ単独で歌曲として演奏することも可能で、実際にそのように演奏されることも多い。実質的には歌曲とはいえ、 例えば第3交響曲の第5楽章(歌曲としては女声合唱・児童合唱パートはない)や、第4交響曲の第4楽章を独立の歌曲として 演奏される頻度は非常に低いのに比べたら、第4楽章が「子供の魔法の角笛歌曲集」に含まれる歌曲「原光」として取り上げられる 機会はずっと多いだろう。


*   *   *

形式の概略(長木「グスタフ・マーラー全作品解説事典」所収のもの。全集版。)
第1楽章(ソナタ形式) 呈示部第1主題呈示「アレグロ・マエストーソ 真摯で荘重な表現で」142c
経過部4347
第2主題呈示「勢いを落としたテンポで」4862E-H-es
第1主題展開反復6373c
補助主題7477As
第1主題展開、下降動機呈示7896g
小結尾、下降動機オスティナート「落ち着いて」97116
第1展開部第2主題挿入「非常に中庸に控え目に」117128C-E
『海の静けさ』「メノ・モッソ」129146
第1主題展開への導入「次第にテンポIに戻る」147178e-a-D
第1主題展開「テンポI」179207cis
第2主題展開「少し切迫して」208220F-C-es
第2主題動機挿入「ためらうことなく」221225
行進曲風小結尾「より動きをもって」226243
第2展開部第1主題展開「速く」244270e
第5楽章予示「とても中庸に始めて」271294es
(《怒りの日》動機および第5楽章289~313対応)270294
第1主題展開、展開部小結尾295328
再現部第1主題再現「テンポI 」329356c
経過部再現357361
第2主題再現「控え目に」362369E
『海の静けさ』「よりゆっくりと」370391
コーダ下降動機、第1主題展開「テンポ・ソステヌート」392422c
長/短調「ひきずることなく」423440C/c
突発的結尾「テンポI」441445c
第2楽章(コーダ付の二重変奏) 部分A「アンダンテ・モデラート とてもゆっくりと、急がずに」138As
部分B「急がずに、とてもゆったりと」3985H
変奏A1「テンポI」86132As
変奏B1「精力的に動いて」133209H
変奏A2「テンポI」210284As
コーダ285289
第3楽章(スケルツォ) スケルツォI導入部「ゆるやかに流れるような動きで」112c
部分A(歌曲第1節以降)「とてもゆったりと、急がずに」13102(-C)
部分B(歌曲第5節以降)103148F
部分A148189c
トリオI部分a190271C-D-E
部分b「とても悠然と、歌うように」272327
部分a「テンポI」328347C
スケルツォII部分A348406c
部分B407440F-C
トリオII部分a441464C
終楽章予示(C上のb和音)465480
部分a481544
スケルツォIII部分A「テンポI」545581c
第4楽章(導入部付の3部形式) コラール風導入「とても荘重に、しかし素朴に(コラール風に)」113Des
歌詞第1節(A)1435
歌詞第2節(B)「より動きをもって」3654b-A
歌詞第3節(A)5568Des
第5楽章(拡大されたソナタ形式) 導入部導入動機「スケルツォのテンポで荒々しく始めて」125c
《復活》第6節旋律2642C
呈示部(『荒野に呼ぶもの』~最後の審判の告知)審判のラッパの呼び声「ゆっりと(「遠くの音」)」4361f
主部呈示(《怒りの日》、《復活》第1節動機)「ゆっくりと(最初のテンポで)」6277
副次部呈示(ファンファーレ、第6節動機)「急がずに、いつも同じ速さで」7896
第3節旋律導入「最初はかなり控えて」97141b
主部反復展開呈示経過部(《怒りの日》、《復活》第1節動機)「再びとても幅広く」142161Des
副次部反復展開呈示(ファンファーレ、第6節動機)「再び幅広く」162190C
推移部(打楽器クレッシェンド)191193
展開部(『最後の審判』)導入部展開「マエストーソ~アレグロ・エネルジコ」194219f
主部展開(《怒りの日》、《復活》第1節)「力強く(行進曲風に)」220288F
第1楽章回想「突然少し重々しく、ペザンテ」289313f
導入動機《怒りの日》展開「少し速く」310324
第3節旋律展開、審判のラッパ「遠くから」325402es
再現部(『大いなる呼び声』)導入動機再現「速くして」403417cis
《復活》第6節旋律再現「ゆっくりと」418447Des
審判のラッパの呼び声再現(『大いなる呼び声』)「とてもゆっくりと、引き延ばして」448471fis
《復活》第1節コラール(主部展開再現)「ゆっくりと、神秘的に」472493Ges
副次部展開再現(ファンファーレ、第6節動機)「とても幅広く」493511
《復活》第2節コラール(主部反復展開再現)「ゆっくりと」512536
副次部展開再現(第6節動機)536559
《復活》第3節ソロ「少し動きをもって(しかし急がずに)」560617b
《復活》第4節コラール「よりゆっくりと、神秘的に」617639
《復活》第5,6節ソロ「高揚して、しかし急がずに」640672As
《復活》第6節コラール「ゆっくりと」672711Es
《復活》第7節コラール「ペザンテ」712732
オーケストラ後奏(第6節動機)「少し幅広く」732764

*   *   *

形式の概略:第1,3,5楽章のみ(de La Grange フランス語版伝記第1巻Appendice No.1):英語版との間に異同があるが、英語版は小節数の記載など内容に疑義があるためフランス語版を採用する。
1. Allegro maestoso. 真摯で荘重な表現で提示142主題A(対主題A'とともに再提示)c
4347移行主題A2c
4863速度を落としたテンポで:主題B(バスに三連符のAの断片のオスティナートを伴う)E
6479最初のように:短縮されたAおよびA'の再提示c
80116A'と組み合わせられ、後には単独でのバスでの終結主題c-G
展開117146非常に中庸に抑えて。ハ長調の主題Bが新たな牧歌的なモチーフによって変化する。 A2と結びつけられた(自筆譜では「海の静けさ」と題されている)「ランツ・デ・ヴァッシュ(Ranz des vaches)」(*)e
147178A'と組み合わされたA(バッソ・オスティナートとして用いられる)e/a
179207Tempo primo. バスの終結主題上のA'およびAA/D
208243少し切迫して。Bがヘ長調から変ホ長調についでロ長調に転調F-Es/H
第2展開244253早く。擬似再現(Aの出だしの部分)es
254328とてもゆっくりと始めて:A(バスにオスティナートがつく)、AとC。フィナーレで 重要な役割を果たすことになる「怒りの日」に似たコラール・モチーフの最初の出現(6本のホルン)es-c
再現329356Tempo primo:AとA'c
357361移行主題A2c
362391抑えて:主題B、ホ長調からすぐに元の調性に戻るE-
コーダ392445Tempo sostenuto (だんだんと早くなる):終結主題、A'とAc
(引用者注)*:Ranz des vachesはスイス地方の牧歌。ベルリオーズの幻想交響曲やロッシーニのウィリアム・テルなどで用いられている例が著名。

3. ゆるやかに流れるような動きで132歌曲の(声のパートなしの)セクションAc
3367声のパートなしのセクションAc
68102木管による声のパートつきのセクションAc
103148セクションB。このセクションと歌曲の長調による対比パッセージには、特に9小節の終わりでのオーボエの新しい主題をはじめ、かなりの違いがある。F-Es
149189コデッタ:A(歌曲のコーダのように。ただしそれ以外については歌曲とは異なる。)
トリオ190211スケルツォ部と同じ16分音符のオスティナートによりバスから始まるフガートC
212256新たな対比旋律を伴ったトリオ主題A
257327フォルティッシモのトリオ主題。弦による16分音符のオスティナート上のノスタルジックなトランペットソロに中断されるE
328347弦楽器群に分割されたトリオ主題C-Es
スケルツォ348371A(スタッカート)c
372406Aの全体の再提示c
407440短縮されたBセクションF
441464トリオ部の第2部分、フォルティッシモ、ストレットによるクライマックスC
465480「絶望の叫び」。バスのC音ペダル上の変ロ短調。最高音での長い音符の音階のモチーフで終わるb
481544トリオ主題C
545581コーダ:Aの最後の提示。歌曲の最後の29小節の引用で終わるc

5. スケルツォのテンポで荒々しく始めて;とても控えめに;ゆっくりとetc.提示または前奏125 音階(第1楽章の主題の冒頭から借用されたもの)に続けてスケルツォの「絶望の叫び」の引用。(5,6小節のトランペットとトロンボーンのモチーフを「恐怖のモチーフ」と呼ぶ書き手もいる。この モチーフは後で再現する。):ハ音のペダル上の変ロ短調の和音が61小節にわたって8/3拍子で続く。b/c
2642「とても抑えて」4/4拍子。復活の主題の最初は木管による、ついでホルンによる予告C
4396「ゆっくりと」(オリジナル稿「荒野で叫ぶもの」)舞台裏の金管のファンファーレと木管の3連符(第1楽章の主要主題に類似)。 低弦のピチカートの上での、木管による、ついでトランペットとトロンボーンによる第1楽章の「怒りの日」のコラールf/F
97141「はじめはとても抑えて」パルジファルのアムフォルタスの主題を思わせる嘆きのモチーフb
142161「再びとても幅広く」金管による応答(「怒りの日と復活のコラール」)Des-C
162193ファンファーレとまだ不完全な復活のコラールの主題(「世界の終末」を示唆するこのパッセージは楽器が次々と加わることで音が大きくなっていく 有名な打楽器によるクレシェンドで終わる。このクレシェンドはヴォツェックのクレシェンドのモデルである。)C/c
第2セクションまたは展開194195Maestoro. 恐怖のモチーフf
196219Allegro energico. 甦った者達の行進。コラール主題と贖罪の主題(第1楽章のBに類似)f/F
220288「力強く」「怒りの日」の主題の速められたバージョンに基づく行進曲の主要セクションF-es-d-f-...
289309「突然少し重々しく」付点リズムのオスティナートによる行進曲のクライマックス。コラール主題(第1楽章におけるように)。 301小節から304小節にかけてトランペットによる第1楽章の副次主題の別の忠実な引用がある。(第1楽章282小節から285小節を参照)
310324Più mosso.解体。恐怖のモチーフと行進曲主題の断片。f
325417「再び抑えて」トロンボーンによる嘆きがチェロのレシタティヴ(舞台裏の金管と打楽器のアンサンブルを伴う。ここで最も熟達した空間化の効果が みられる)、ついでヴァイオリンのレシタティヴに発展する。恐怖の主題とスケルツォの「絶望」のパッセージの音階モチーフ。このエピソードは速度を増し、どんどん転調していく。es-f-h-Fis-...
418447「ゆっくりと」本来の復活の主題の最初の出現(弦で、ついでホルンで)Des
448471「とてもゆっくりと、引き延ばして」(オリジナル稿「大いなる呼び声(最後の審判のラッパ)」)完全な崩壊。ホルンとトランペット(舞台裏)の 3連符のファンファーレ。それに対してオーケストラの木管が応答する。死の鳥(フルートとピッコロ)。嬰へ長調(「荒野で叫ぶもの」より半音高い)Fis
終結セクション(合唱による)472535「ゆっくりと」 Misterioso. 無伴奏合唱とソプラノ・ソロによる 「復活」(第1楽章のコラール主題に基づく)。ここがこの作品中で最も心奪われる瞬間である。(マーラーは、聴衆が歌い始めに気付くことのないようにフルート・ソロの後の入りの部分で 合唱が座ったまま歌うことを望んだ。) 第1節の第1部分と第2部分は金管のファンファーレによって分かたれており、徐々に勝ち誇った感じになっていく。復活の主題の提示はとうとう完全になるが、 常にピアニッシモでコラールと結び付けられているGes
536559様々なオーケストラの楽器群による復活の主題の模倣Ges
560617「少し動きをもって」苦悩の主題「おお信じよ」(アルトソロ、ついでソプラノソロ)がだんだんと確信に満ちていく(オリジナル稿で マーラーは、未だ代案としてではあるが2度目の「おお信じよ」のソロにソプラノを使うことを決めた)b/Des
618639「よりゆっくりと」 Misterioso. 「復活」(合唱、アルトソロと金管) Des/As
640671「高揚して、しかし急がずに」苦悩のモチーフの新しいバージョンによる、だんだんと恍惚となっていくソプラノとアルトの二重唱 (671小節に「原光」の「私は神のもとにある」の忠実な引用あり)b-Es
672711「ゆっくりと」「翼をもって」復活の主題の模倣を様々な合唱群が行い、だんだんと緊密になっていくEs-g-Es
コーダ712764Pesante. 「復活」の合唱。オルガン、タムタム、鐘を伴った復活の主題の最初の部分の絶え間ない 繰り返しによる管弦楽の終結部が続く。Es
(2008.9.15, 20, 2009.8.12, 2010.4.25, 5.5 この項続く)

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(2008年2月作成)