グスタフ・マーラー Gustav Mahler (1860-1911)・人物像(1)語録
ナターリエ・バウアー=レヒナーの回想録:アッター湖畔シュタインバッハ1895年夏の章に出てくる交響曲についてのマーラーの言葉(原書p.19, 邦訳p.62)
... Aber Symphonie heißt mir eben : mit allen Mitteln der vorhandenen Technik eine Welt aufbauen. Der immer neue und wechselnde Inhalt
bestimmt sich seine Form von selbst. In diesem Sinne muß ich stets erst wieder lernen, mir meine Ausdrucksmittel neu zu erschaffen, wenn ich auch die
Technik noch so vollkommen beherrsche, wie ich, glaub'ich, jetzt von mir behaupten kann.
引用した最初の文が、アドルノのマーラー論を始めとして、これまた至る所で引用されるマーラーの交響曲についての言葉である。
これはマーラーが第3交響曲について語っている文脈で出てきた言葉であるが、まさに第3交響曲こそ、この定義に相応しい作品であることは
衆目の一致するところだろう。ところで私は、それに続く言葉もまた、とても重要だと思う。まさに内容が形式を産み出す点にこそ、マーラーの音楽の
比類ない力が在るのだと感じているからであり、マーラーは終生、ここでの発言の最後の部分に忠実であり続けたように思われるからである。
なお、上記の原書のページは私の所蔵している1923年版におけるものであり、邦訳のベースとなっている新版(こちらは未見)のそれではない。(2007.5.12)
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